パリの砂漠、東京の蜃気楼 - 金原ひとみ - 小説・無料試し読みなら、電子書籍・コミックストア ブックライブ

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一歳と四歳の娘と始めたパリでの母子生活。近づく死の影から逃れるための突然の帰国。夫との断絶の中、フェスと仕事に追われる東京での混迷する日々……。生きることの孤独と苦悩を綴った著者初のエッセイ集。<自分を愛することを認めてくれる人はたくさんいるけれど、自分を愛さないことも認めてくれる人は稀有で、金原ひとみさんはその一人だと思う。西加奈子><壊れるように成熟してゆく魂。パリ―東京の憂鬱を潜り抜け、言葉は、痛みと優しさとの間を行き交いつつ、気怠く、力強い。比類なく魅力的な作品。平野啓一郎>

これまで読んだどのエッセイよりも抉られた。どのページを開いても鋭く濡れた刃物で切り付けられるような痛みが走る。「瞬間的な心の充足ではなく、恒常的な魂の充足などあり得るのだろうか」この一文に泣いた。